13話


デブに金棒

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ガリ子は早起きができるわんぱくちゃんなので、兄と蘭ちゃんは起きてこないと言っていますが竜胆くんが起きてくれたことを確認してからわりとわざと大きな音を立てて嫌がらせしたりしています。日常的にそれをやっているのでなんだかんだ兄の生活ペースも整ってきているのが現状です

佐野家にお泊まりした時には朝からシンイチローくんと爆音でラジオ体操をしたりしてすわ敵襲かとイザナとマンジローが飛び起きたりしています。因みに早く寝るというガリ子を無視してそれなりの音量でゲームをやって暴れたせいで仕返しをされた形になります

A
かつて竜胆くんにも河川敷で殴り合いをして友情を再構築することを強要していたりする辺りから分かるように、ガリ子は拳を混じえて友情を築くタイプです。友達が少ないのでそもそも友人の作り方が分かっておらず、知識が偏っています

B
何度死んでも蘇るという意味でフェニックスのあだ名を付けられ泣いていますが、頑丈でこそあれど残機があるわけではないので致命傷を負うと普通にアウトです。いつもなんだかんだとギリギリのところで綱渡りをしているので、周囲がガリ子の頑丈さに胡座をかいていると一発退場になります

C
ガリ子は本当にダンスが下手です。ソーラン節なら体にもう染み付いているので間違いなく死神に勝てたのですが、「ちょっと温情くれてやるか……」と上から目線でダンスバトルを提案し、惨敗しました。蘭ちゃんが見たら笑いすぎて過呼吸を起こすレベルの腕前です

基本的にガリ子に優しい鶴蝶くんとシンイチローくんも「リコはダンス以外に色々できるから! ダンスなんてできなくても平気だって!」と励ましてガリ子を余計に落ち込ませます。ワンちゃんは「下手だな」と普通に言いますし、大寿くんは「パントマイムか?」と本気で尋ねると思います

D
死神はそもそもガリ子との勝負の内容に密接していて、大寿くんはいつもいつもガリ子から一方的に恋バナを聞かされていたので竜胆くんとガリ子が付き合っていないことを知っていました。ですが周囲は二年前の第一次きょうだい戦争の時点で付き合いだしていると思っています

別に付き合いだしたなどとガリ子は周囲に報告しませんし竜胆くんも今まで敢えてその勘違いを放置していたので改めて説明はしません。そういう話に敏感なエマちゃんだけが「なんかおかしいな……?」と思っているのが現状ですが、多分ここから何年か経たないと勘違いは浮き彫りになりません

E
竜胆くんたちと別の学校に進学したのは、受験期に竜胆くんと大喧嘩をしていたことが原因です。二人にしては有り得ないぐらいの喧嘩なので数週間連絡を取っていないし口も聞きませんでした。最終的にお互い話し合いの場を持ち妥協点を作り仲直りしました

「きょうだいとはいえ距離近すぎない?」の竜胆くんvs「? きょうだいなんだけど。きょうだいだよ?」のリコで11月の終わりから3月の頭まで続いた大喧嘩です。こればかりはリコも譲れることでは無いので仲直りするまで強気の姿勢で自分の主張を覆しませんでした

途中でイザナが「竜胆とリコの距離だって近すぎる。今度リコに近付いたらピアス千切る」と言い出して泥沼化しているので、ここまで長期化しました。結局「家族ときょうだいと竜胆くんは別。距離の近さは正直竜胆くんが一番」「まあ確かに……」で解決しました

竜胆くんがリコに流されて押されている珍しい例です。仲直りの意味を込めてホワイトデーに二人でチョコを作って交換し、イザナにも二人で手渡しているので「クソが!」と普通にキレられました。ピアスを千切るのは失敗しています

F
リコはこれで喧嘩が原因で竜胆くんと同じ学校に進むのをやめたことをかなり後悔していたんですが、入学式で大親友に出会ったことで後悔は吹き飛びました。大寿くんは「テメェがあの気狂いと喧嘩したせいでオレの高校生活が最悪だ」と竜胆くんにキレたりしていますが、高校生活だけでは終わりません

大親友コンビはガリ子の命ある限り付き合いが続きます。大親友なので

きっと成長したら机を窓の外に投げ捨てるのではなく、シャンパングラスやビール瓶を叩き割ることが狼煙を上げる代わりになるはずです。竜胆くんも「大親友って言っても所詮は大親友止まりだし」と余裕の姿勢を見せるので誰もガリ子を止めず、大寿くんのストレスだけが溜まり続けます

G
大親友コンビのクラスメイトたちはいつ自分たちに被害が及ぶかと気が気じゃないです。実際器用で計算のできる二人なので人を巻き込んだりはしないのですが、二年次のクラス替えでは同級生ほぼ全員が「どうかあの二人と同じクラスになりませんように」と祈ることになります

教師からも目を付けられているというか怯えられているのですが、両家共に寄付金に色目は付けない上に二人も勤勉な姿勢は見せるためストレートで卒業は出来ると思います。二人の高校は私立です

H
イザナが竜胆くんに突っかかっていくのは野生の勘で「リコと竜胆って別に付き合ってねーんじゃねーの」と気付いているからです。でも本能的な部分でそう思っているだけなので、その考えが表層に出てくることはありません。なんとなくこいつと妹が絡んでんの見ると気に食わない、ぐらいです

イザナは流されに流されて既にリコを妹認定しています。手のかかる妹たちだなあと思っていて、手のかかる兄だなあと妹たちから思われています

I
ガリ子の見た目に関しては身長以外たいして決めてないんですが、インナーカラーをワインレッドにしていることだけは今決めました

J
ガリ子はキレると多弁になって早口大声汚い言葉で捲し立てるタイプなんですが、動揺していたり竜胆くんに押されていたりすると露骨に口が回らなくなります。なので対竜胆くんで竜胆くんが「ちょっと押すか」と思っている時はろくに思考も出来ずに「竜胆くんが言うならそうかも……」で押し切られます

K
結局告白も仕切り直していません。翌日大寿くんに話している通り、一日中竜胆くんに抱き締められて映画を見ていました。これでも二年間で成長しているので「竜胆くんのこれって友情のスキンシップではないな……?」と気付きつつはありましたが、既に関係は恋人に変わったため有耶無耶になります

L
ガリ子が恋バナを自分から振るのは現時点では大寿くんだけです。エマちゃんともそういう話はしますが妹にそういう話をするのは少し気恥ずかしいなと思って自分から話を振ったり相談したりはしません。振られればもちろん答えます

口車に乗せられて死神に話すことはありますが、恋バナ判定ではないです