31話


屠所のデブ

@
生簀の鯉も屠所の羊もお前だよ、という話です

A
原作乱入ぶち壊し編を謳っているのに尽く高賀リコがぶち壊されててウケますね。原作乱入ぶち壊し編〜ぶち壊されるのはお前〜です

本当はこれを添えようかと思ったんですが流石にな……と思って〜鯉と羊〜になりました。そのまま生簀の鯉と屠所の羊です

B
強い女が唐突に弱るのが好きなので最後に自分の死を知った時に泣かせました

自分の死に対する怯えはもちろん、竜胆くんが自分がいないと生きられなかったと言葉を託したことに対しても怯えています。一緒に生きたいとは思っていても一緒に死にたいとは思えていないので、自分のせいで愛する人が生きていけないとなれば宣告を拒むことぐらいはします

「私は竜胆くんがいないと生きていけないけれど竜胆くんには私がいなくても生きていってほしい」の精神です。共に生きるのはもちろん一緒に死にたいの精神を持ち合わせているのは竜胆くんの方です

C
ガリ子の名前はずっとリコと表記してきましたが正式には「璃子」です。瑠璃から来ています。瑠璃のように澄んだ心の美しい子になりますようにと名付けられましたが、瑠璃はガラスの古称ですので基本的に割れやすく脆く儚いです。璃子もたくさんのものを背負って抱えて割れて砕けます

度々本編でも触れているんですが拙宅の竜胆くんの瞳は「紫がかった瞳」、厳密に言えば竜胆色ですので、紫がかった青を指す瑠璃から由来する名前を付けられた璃子と竜胆くんは出会う以前よりずっと、名付けの時点から近いところにいます

瑠璃に因んでですが、ネモフィラ(瑠璃唐草)の花言葉は「可憐」「どこでも成功」ですが、「あなたを許す」というものもあります。殴って止めるを常に指針とする璃子ですが、そうして殴って止めて許しを与えてきました。原種は森の暖かい陽だまりで自生します

璃子が交友関係が狭いと自称しつつも問題に巻き込まれては色んな人と知り合いになり、殴って止めて許しを与えて、それでもほとんどの人と交友を続けていたのはネモフィラの自生地域から引っ張ってきた設定です。気付けば周囲に人が集まってきて、その様をイザナは陽だまりみたいだからと断言しています

誕生日が2月21日というのもその日の誕生花がネモフィラだからです。ラピスラズリ(瑠璃)は12月の誕生石なので12月も彼女にとって大きな機転となる月にしました。ラピスラズリには「聖業」「永遠の誓い」などの宝石言葉もあります。璃子に狂信者が集まり聖女様と崇められたのは「聖業」からの設定です

「永遠の誓い」の方はラピスラズリが誕生石である12月に竜胆くんと「私のこの先も、私も、全部竜胆くんにあげる」「ならオレの全部もリコにあげる」と回りくどくはありますが永遠を誓ったあたりに使っています。病院でも彼らは永遠にそばにいることを誓いあっています

璃子自身が約束は破っても誓いは果たす人間ですし、その誓いには証人を立てるスタンスです。これまでもきょうだいたちを証人にして誓いを立てたり、竜胆くんのそばにいるという病院での誓いに関しても周囲に人がいる中での発言しています

D
続き物にしようと決めた段階で名前から接点を作ろうと思っていたので、二話から仕舞い込んでいた設定ですね。竜胆色と瑠璃色、竜胆と瑠璃唐草、運命の二人なので……