手を繋いで、くちびる
竈門くんはとてもマメなひとだ。
恋愛というものに夢を見たことは正直なかったのだが、友人から貸してもらった少女漫画のヒーローのごとくマメな人だ。デートに行くときには必ず送迎を欠かさない。家がそう遠くないとは言えど電車賃のかかる距離なので、塵も積もれば馬鹿にならない金額になるというのに、ましてや竈門くんは金銭的に裕福な状況にあるとは言えないのに。
きみに会う為の必要な出費だといって聞かず、負担に思ってほしくもないと頑固な顔で言うので、本人の希望ならばとあまり気にしないようにしようとはしている。