冨岡ぽい
静かに短刀を差し出される。
殺して、と、小さく呟かれた。
俯くように頭を下げた日向の髪がさらりと落ちて、頸が現れた。投げ捨てられたそれをぼんやりと見つめる日向を引き倒した。
こんなことをしていても彼女の心が手に入るはずがない。離れるばかりだと、そんなことはわかりきっている。それでもこうするしかできない。愛し方がわからないから、縛りつけようとする。
泣き腫らした目で、それでも自分を信じようとしてくれる日向の強さを、俺は信じられないでいる。
「大丈夫、大丈夫だよ」
「愛してるんだ、本当に…」
「わかってる。…私も、愛しているよ」
彼女は確かにそう言ってくれた。
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