予感

今日は確か全教科のテスト結果が返される日のはずや。
テスト用紙より先に全教科の点数だけが書かれた紙だけがまず返されるなんて、ちぃと残酷やねんなー。




はぁーあ、こないだの賭けの結果がやーっと出る。

まぁー廉造がうちにかてるわけないねんけど?
楽しみやな〜。




「ほら、テストの結果返すから順番に取りこいよー」


クラスメートが順番に渡されていく中、わたしと廉造も受け取り席に着く。



うちは五教科で合計384点。
前回の中間より対策してへんかった分点数が落ちてしもた。


でも、廉造は前回も前回やったし余裕やろ。




「名前〜結果どやった?」


さっそく廉造がうちの席まで来た。

廉造の顔からするとそこまで悪くなかったようやな。



「まぁまぁってとこやな。ほな、せーので見せ合いっこすんで。 せーーのっ!」



2人で机の上に点数が書かれた紙をぱっと出す。


そして…




廉造の紙を見た瞬間、うちの思考は一瞬停止した。



「38…6…?!!」


「あれれ〜?俺ん方今回は上ちゃいますのん?」



そ、そんな!うちが廉造に負けるやなんてあり得へん!!何かの間違いや!!!!


「んな!絶対計算ミスや!」


「そらないやろ。俺ん実力ですわ。 なーにお願いしましょかね〜」




くぅううううう…!悔しい…!!
やだやだやだ!負けは認めたない!!!


「放課後までには考えとくんで、ほな」




そう言って自分の席に戻って行った。


はぁぁ、復習を怠るんちゃうかったわ…
何言われるんやろ……。







ーーーー…



ぼーっと過ごしとったらあっちゅう間に放課後。

廉造はうちの席まで来て帰るのを急かしてきた。






帰路についてたわいない会話しとってもうすぐ分かれ道っちゅうとこで廉造が足を止めた。


「ん?どないしたん?」


「勝負のやつ、名前に大事な頼み事があんねん」



んー?廉造には珍しいなーこないに真面目に言うやなんて。


「脱げとかヌード系はお断りやからな」



じーっと廉造を見ると、ちゃうわ と言って頭を掻いた。




「…言いにくい事やねんけど、俺学校休学して修行つけてもらお思てんねん。せやからこれから約半年程、名前には会われへんねん」





廉造の言葉に固まる名前。

理解するのに時間がかかった。

理解してから目頭があつくなるのが分かった。



「それ、どゆこと…なん?」



言いにくそうに俯く廉造。



「ほら、俺来年から遠い学校行くやろ?その為には修行が必要やねん。勿論修行には坊と子猫さんも一緒や」




うそ、だよね…?

遅刻したエイプリルフールでうちをびっくりさせよ思てるだけやろ…?




でも、廉造の顔を見ると、これはほんまのことやねんなって思わされる。


信じたないけど、廉造はこないくだんない嘘はつかへん男や。




でも、それと勝負に何が関係しとん…?





「俺からの頼み事は、俺が無事に修行を終えて帰ってくるん待っとってほしいんや。これから名前のことずっと側におって守ることは出来ん。せやけど必ず帰ってくるさかい待っとってほしい」



廉造の真っ直ぐな目。


うちは唇をきゅっとして涙を堪え、頷いた。




「うん、うちずっと待っとる。信じて待っとるよ」








廉造は微笑んで名前をきつく抱き締め、キスをした。