「あ、待ってやばい立ちくらみ」
ゆうは長風呂をしたのち、脱衣場で体を拭いている際立ちくらみに襲われその場に膝をついた。
体を拭いていたバスタオルを床に敷きその上に体を寝かせゆっくりと呼吸を整える。
「非番だからっていつもよりゆっくりしすぎたな…ちゃんと入る前水分とるんだった」
横になって3分程経っただろうか、呼吸も落ち着いて立ちくらみもひどくないような気がして起き上がろうとしたとき、
「たっだいま〜って…ゆう?部屋の電気ついてるし、トイレ?それとも風呂?」
リビングのドアが開き、もう1人の住人の声が聞こえた。
「うげっ、やば、早く服着ないと」
慌てて立ち上がろうと体を起こすと、まだよくなっていなかったのか再び立ちくらみに襲われた。
「あっ…」
ドンッ
体勢を崩してしまい床に強く膝をついてしまった。
膝が痛いと思いつつも頭がぐわんぐわんするため大きくは動けずゆっくりと体にバスタオルをかけ、小さく体育座りをした。
「…ゆう?大丈夫?今わりとでかい落としたけど。…開けるよ」
その声が聞こえ終わると同時に脱衣所のドアが開いた。
「…っ!ゆう!何ちゅー格好してんの!入ったのが俺でよかった…空き巣とかだったらお前即犯されてたよ」
「ねぇ迅、普通に何も知らなかったって感じで入ってきたけど実はこの未来知ってたでしょ。帰ってくるタイミングが絶妙すぎておかしい」
「あー……バレてた?まぁこうなる未来が視えたからすぐ帰ってきたわけだけど、とりあえずはい水」
水の入ったコップを差し出してゆうの隣に座る迅。
ゆうはそれを受け取って水分を欲していた体に一気に流し込んだ。
「…ありがと、お水はすごくありがたいんだけど何故ずっといる?」
「ん?あれ?俺の視えた未来はこれからあんなことやこんなことが始まる予定だったんだけど」
「わたしの未来にそんな予定はない、着替えるから早く出てって」
「なーに今更恥ずかしがっちゃってんの〜?裸なんていつも見てるじゃん?」
「ばっ!そういう問題じゃない!いいから早く出てって!」
顔を真っ赤にさせたゆうは迅を立ち上がらせて背中を押し強制的に脱衣所から追い出した。
「ゆう、ベッドで待ってるから」
ドアの前から聞こえた迅の声により顔を赤くさせいつもの行為の様子が一瞬脳裏をよぎって恥ずかしさに両手で顔を覆った。
「………ばか。」
一度深い深呼吸をし、ゆうはかけていたバスタオルを体に巻きそのまま脱衣所を出て寝室へ向かった。
きっとゆうが折れて迅の元へ行く未来は迅の想定内だったのかもしれない。