キャンバスに映る貴方
第五話





chapter:甘い吐息





涼が動くたび、グチュグチュと鳴る淫猥な水音。

それはシャワーから弾き出された水なのか、それとも涼が、僕の襞に締め付けられ、中で先走りを流しているからなのか、わからない。

だけど淫猥な水音は、僕が濡らしているように聞こえるのは気のせいじゃない。

涼とぶつかる肌の音でも興奮してしまう。

僕の襞をかき分け、奥へと侵入してくる涼が愛おしい。

やがて僕の腰に両腕が添えられて、深い抽挿がはじまった。

僕の内壁が、涼の雄と同じ形になる。


「涼、好き、好き!!」

好きすぎて、たまりにたまった恋心と一緒に、僕はとうとう昇りつめた。

涼も唇を噛みしめ、声を漏らすと、僕の最奥へ向かって白濁を流す。

注がれる涼の白濁が嬉しい。


愛されているとわかるから……。

「涼、涼……好き……」

乱れる息が整えきれない。

早くこの恋を言葉にしたくて言ってしまえば、身体がガクンと崩れ落ちた。

僕が床に倒れる直前、たくましい腕に支えられ、汗で冷えてしまった身体をあたためるため、一緒に浴槽へと入る。

そうして、とろけるような熱い口づけを何度も繰り返し、僕は涼との恋を続けていくんだ。

この先も……ずっとふたりで……。



僕はそのままたくましい身体にもたれて、何も考えられないまま、意識を手放した――……。


「心桜、好きです」


最愛の人の心音を子守唄にして……。



*END*


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