chapter:想い、打ち明けて。 それは悠里にとって、母親を失う時と同じくらい、ずっと深刻なものだった。 悠里は、昴とは今日、この日をもって最後とし、明日になれば彼の庇護の元から飛び出し、出ていこうと思った。 だから、昴の傍にいられるのは今日で最後だと、悠里は密かに決意していた。 もちろん、昴が帰宅するまではそんな悲しいことは、考えていなかった。 恋人としての好きをもらえなくてもいい。 昴から離れたくはないと、そう思っていた。 けれど、キッチンで蹲っていた悠里の名を、昴は優しい声音で呼び、ベッドまで抱えて移動してくれたその時、もう、昴に迷惑をかけるのは止めようと決意した。 昴は、けっして悠里を邪魔だとは言わない。 それはきっと、将来、自分ではない他の女性と結婚することになっても変わらないだろう。 でも、それだと、昴は永遠に、悠里の世話役から解放されない。 昴に好きな人がいるのなら、彼の恋を応援しよう。 邪魔な自分は、昴から遠ざかろう。 けれどそうは思っても、昴を忘れることはできない。 だったらせめて、昴を感じてから出て行こう。 行く宛は決めていない。 今さらだけれど、子供の頃、母親と離婚した父親の元へ押し掛けてもいいかもしれない。 悠里は、ただ純粋に昴から離れて行かなければと思った。 (でも、今は……この時だけは――――) |