chapter:暴れん坊古都くん マジか!? やったぜっ!! 嬉しくなって幸の顔を見る。 だけど、オレの頭に、あるひとつの人物が過ぎって、膨らんでいた嬉しい気持ちは、すぐにしぼんでしまった。 ある人物っていうのは、神楽(かぐら)のことだ。 もし仮に、幸と出かけたとして、そこで神楽と遭遇してしまったら? それを考えると、すごく胸が痛い。 オレの顔から満面の笑顔が消え、眉間に皺が寄った。 だけど、幸はそんなオレの心情も分かってくれて、大丈夫だとうなずいた。 「神楽が俺たちに接近した時、気配とかで何か察知する方法はないの?」 「気配は分かるよ、妖狐の妖力ってオレたち同族にしたら結構特殊なんだ」 「だったら問題ないんじゃないかな? 神楽の妖力を察知したら、そこから逃げればいい。 それに、人間の世界はおそろしく広いからね。山奥に住んでいた妖狐の神楽と、長年ここに住んでいる俺と、どちらが地の利を理解していると思う?」 幸がニッコリ笑って言うと、なんだろう。 オレも神楽に見つからないんじゃないかって思えてくる。 幸って不思議だな。 「そっか……そうだよな!! 外に行きたいっ!! 幸、連れてって!!」 オレはサケを骨だけにすると、椅子から腰を上げて、早く行こうと幸の座席へ回り込む。 対する幸はまだ食事中だったけど、そんなことはかまっていられない。 「幸、早く、早く!!」 |