迷える小狐に愛の手を。
第十話





chapter:発情期ってなんですか?





あいつらみたいに、『怖い』とか、『気持ち悪い』とかは思わない。


それよりもむしろ……。


「きもちい……い」

正直な気持ちを幸に話せば、耳元で幸が笑うような、そんな息遣いを感じた。


「よかった。じゃあ、もう少し強くするよ」

幸はその言葉通り、オレ自身を掴む手に力を加えた。

――かと思えば、握る手を弱めて、また強く握る。

そのまま上下にゆっくりと動かしていった。


「ん……っふ……あぁ……」

「気持ちいい?」


幸の言葉がオレをさらに追い立てる。

心地いい幸の手の動きが、疼くオレ自身の先端から液をふき出させる。

幸がそうしてるからであって、オレが悪いわけじゃない。

自分に言い聞かせるオレ。

でも、幸にこういうことをさせていると思うと、とても恥ずかしい。


「少し濡れてきたね」

「やっ……なんで……」

そんなこと言うの?


――神楽と同じような言葉。

だけど、神楽に言われてもこんなことにはならなかった。

ただ、恐怖と憎悪しかなかった。


こんな疼き方、オレ、知らない。


「んぅ……ゆき…………」


オレは顔を上げて幸を見つめる。

楽にしてほしいと懇願して……。



幸を映す視界は歪んでいる。

泣いているんだ。


だけど、その涙は嫌なものじゃない。

オレ……感じているんだ。

そんなオレの顔を見た瞬間、幸は目を大きく見開いた……ような気がしたのは気のせいだろうか?





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