間違いってそんなのないだろうがよ! というか考えたくもないわっ!! 「ちょっと待てよ。なんだよそれ!!」 バンッ!! 今度は俺がテーブルを叩く番だった。 「それもそうねぇ〜、亜瑠兎なら、間違いがあっても対処できるのもね〜」 ……をい、母さん? 「うんうん、そうだね。亜瑠兎にしようか」 ……をいをい、父さん? 「何よ、亜瑠兎。それともあんたも好きな人がいるの?」 花音に聞かれて俺は素直に首を振ってしまった。 「いや……いないけど…………」 「だったらいいじゃん!! 亜瑠兎で決まり!!」 花音がたたみかけるようにしてそう言った。 「なっ!?」 しまったあああっ! 嘘でも好きな子がいるって言っておけばよかった!! 俺は自分の正直さ加減に頭を抱えた。 「そうだな」 「そうね」 父さんと母さんもうんうんと頷(うなず)いている。