「…………」 それで? これを俺にどうしろと? 差し出された服を凝視する俺は今、さぞや深々と眉間に皺が刻まれていることだろう。 自分でもよくわかる。 俺がこれだとすると……。 いったい花音の袋には何が入っていたんだろうか。 気になって目の端で花音の様子をとらえると――弧を描いた綺麗な眉が眉間に寄っている。 ーーああ、やっぱり花音も俺と同じリアクションだった。 父さんに貰った袋の中身が気になった俺は花音の視線の先を見てみる。 そうしたら……はあ? 俺はますます意味がわからなくなった。 純白のレースと小さなリボンがふんだんに縫い付けられ、フリルがたくさん付いているフリフリのワンピースが一着……。 ーーいや、そりゃね、黒い髪の花音に似合うとは思うけどさ、でもこれはまるで……。