ひだまりの騎士に抱かれて
第一話





chapter:くもりぞら。







「ごめん。別れよう」


唐突な、彼からの言葉。


「え?」


あたしは彼の言葉を理解したくなくて、問う。


ここは睦月(むつき)高等学校、屋上。


そして今の時間は、授業すべてが終わった放課後。


あたし、桂 咲(かつら さく)は、彼氏の宮崎 達也(きやざき たつや)に呼び出され、ここにいる。



「おまえさぁ、可愛げがないんだよ。全然俺を頼ってこないじゃん? 甘えてもこないしさぁ」


ただでさえ、彼の言葉はあたしを固まらせているのに、達也はさらに追い討ちをかけてくる。


「最初はさ、一目惚れだったんだけど、やっぱ、せりあちゃんの方が好きなんだ」


えっ? それって、どういうこと?

せりあの方が好きって……。


あたしをせりあの代わりのように思っていたっていうこと?




「お前、俺と別れても問題ないだろ? 強いもんな。弱音、吐かないし」


『じゃあな』


彼は、言うだけ言って、屋上を出て行ってしまった。



――可愛げがない。


――お前は強い。


――弱音を吐かない。



――せりあの方が好き。





言われた達也の言葉を噛みしめる。



「ふざけるな! あたしだって、あんたみたいな軟弱男、だいっ嫌いなんだから!!」


あたしはありったけの怒りを空に向けて、大声で達也を罵(ののし)った。





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