ひだまりの騎士に抱かれて
第一話





chapter:くもりぞら。





屋上から一階に続く長い階段を下り、校門を出るとすぐ、タイミングを見計らったかのように、空から雫が落ちてきた。



冷たい水滴が、あたしの頬に当たる。






――――雨だ。





今朝は晴れていたから、当然、傘なんて持っていない。




だったら……このまま、雨に濡れて帰ろう。



どうせ、家に帰っても誰もいないし、ずぶ濡れになっても誰にも気付かれない。





グレーに染まった空の下、あたしは顔を俯け、家路へとゆっくり歩を進めた。





- 5 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom