寝覚めはおはようのキスから
第一話 -保村 龍也の恋愛事情- 





chapter:◆えっと、まずは自己紹介からやんな◆




 ◆



 俺、保村 龍也(ほむら りゅうや)。十七歳。椿山高校に通う二年。容姿は、一日に一回は必ず女子に告白されてるから顔はそこそこいいと思う。背も百八十五センチで高いし、成績も悪くない。けどな、ほんの少し前まで、色素の薄い髪色のせいで先生には目を付けられていたんや。この髪、地毛や言うてんのに聞いてくれへんねん。先生ってほんま自分の都合の良いように解釈するよな。いくら俺が違うって言うても全然聞いてくれへん。勝手に決めつけてさ。せやけど、その悩みはある人物のおかげでなくなった。

 それというんも俺のクラス、二ーAには毎回遅刻する子がおったから。その子を遅刻せぇへんように毎朝一緒に登校してたら、先生も俺の髪色のことをどうこう言うことはなくなった。

『お前の髪、大目に見てやる』やってさ。

 ……せやけどこの髪、ほんまに地毛なんやけどな……。


 それは置いといて。そんな俺にも好きな子がおる。その子の名前は槇 宙太(まき そらた)。――そう、何を隠そう、その子が遅刻の常習犯。俺が毎朝迎えに行ってる子なんや。

 俺が槇を迎えに行ってるんは、たまたま家が近隣でなんとかしてくれと先生に頼まれたからやない。色素の薄い日焼け知らずの肌と黒い大きな目。寝癖なんかわからんけど、頭のてっぺんにちょこんと毛が立っててな。それからふっくらとした赤い唇。いつもツンツンしてるクセに、ちょっとした時に甘えてくる、その性格に惚れたんや。彼はことごとく俺の保護欲をそそる。

 毎日告白されて女子にモテても肝心の宙太にモテへんと意味がない。ほんま、好きやって言えたらどんなに楽やろう。でも、同性を好きやなんて言えへん。嫌われたくない。せっかく、最近はやっと打ち解けて、槇から話をしてくれるようになったのに、俺からこの関係を崩したない。

 せやから、俺はこうして日々、悶々と過ごしている。





 ◆えっと、まずは自己紹介からやんな**END◆


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