*恋色童話集*




chapter:赤ずきん~弱虫オオカミ





黒くて大きな吸い込まれそうな綺麗な目がボクを映すと、胸がドキドキする。


実はボク、赤ずきんくんが好きなんだ。

強くて優しくって、ちょっぴり……じゃないや。

だいぶん口が悪い赤ずきんくんが……。




「ああ、やっぱ、タンコブできてやがるぜ」



フワッ。

ボクの髪をかきあげて、叩かれたおでこに触る赤ずきんくん。


触られてズキってするけど、胸がドキっともする。

だって、目の前に赤ずきんくんの顔があるよっ!!


顔が近いよっ!!


「うわっ、どうしたんだよ? おまっ、顔真っ赤じゃん!! もしかして顔も殴られたんかよっ!?」


ボクはフルフルと首を振って、赤ずきんくんに何でもないと伝える。

だけど、心臓がバクバクうるさくって、口は金魚さんみたいにパクパク開いたり閉じたりを繰り返すだけで、言葉が出てこない。


「ここじゃ、ろくに手当もできねぇな、よし。家に来い」


赤ずきんくんはそう言って、ボクの手を取って家に連れて行ってくれる。

……のは嬉しいんだよ?

だって、赤ずきんくんと一緒にいられるもん。

でもね、赤ずきんくんは一人暮らしだ。


大好きな赤ずきんくんとふたりっきりなんてそんなの恥ずかしすぎるよぅっ!!


……とか言いつつ、いつもこんな調子でみんなにイジメられたり罠にかかったりして、ボクが傷をつくるたび、家に入れてくれて、手当てをしてくれるんだけどね。





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