*恋色童話集*




chapter:赤ずきん~弱虫オオカミ





「赤ずきんくん!!」

「っひぃっ!!」

ボクが手を伸ばせば……。

赤ずきんくんは身体を震わせて怯えた声を出した。



「あ…………」

赤ずきんくんは怖い思いをした。

だけどボクはそんなことも考えず、喜んでしまった。


自分のことしか考えてなかったってことに、ボクは今さら気がついた。

あんなに怖い思いをしたんだもんね、仕方ないよね。


もっと早くに、ああやってクマさんたちを倒していれば、赤ずきんくんは襲われずに済んだんだものね。



側には、いない方がいいね。

いつも鈍くさいボク。

赤ずきんくんに嫌われたかな。



「ごめんね……」

役立たずで……。

大好きだったよ。

……バイバイ。


赤ずきんくんから背を向けて、両肩にクマさんたちをかついだ。

完全に失恋してしまったボクは、悲しすぎて、赤ずきんくんの顔も見られそうにない。

だから隣村に行こうと決めた。


その直後だ。

グイッ!!


「えっ?」

ボクの……腰に絡みつく細い腕が見えたんだ。


びっくりして肩にかついだクマさんを手から離す。


ゴトンッ!!

クマさんたちが大きな音を立てて、近場にあった大きくて硬い岩に直撃したけど、どうでもいいや。

それよりも気になったのは、ボクの腰にしがみついているのが赤ずきんくんだってことだ。


「赤ずきんくん?」

振り向いて、そっと話しかけてみれば……。





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