*恋色童話集*




chapter:赤ずきん~弱虫オオカミ





「ひとりにしないで……」

そう言った彼の声は、とっても弱々しい。



ボクを頼ってくれてるの?

とても嬉しい。

だって、いつも守られているばかりのボクが、大好きな赤ずきんくんを守ってあげられるんだ。

側にいられる。


だけど、ボクは……。


……ダメだ。

やっぱり赤ずきんくんと一緒にはいられない。


だって、地べたで伸びているこのクマさんたちがしたようなことを、ボクも赤ずきんくんにしたいって、そう思っているんだから……。


ボクは赤ずきんくんと一緒にいるべきじゃない。



ボクは自分の腰に巻きついた赤ずきんくんの手を外そうとした。


「いやっ、やだっ!!」


それでも、やっぱり赤ずきんくんはまだ怖いみたいで、ボクから離れようとしない。


「赤ずきんくん……あのね?」

「いや、ヤだ!!」

ボクが話しかけても、赤ずきんくんは首を振るばかりだ。


どうしよう、どうしたらいい?

傷つけたくない。

赤ずきんくんをこれ以上、傷つけたくないよ……。


「赤ずきんくんっ!!」

ボクは赤ずきんくんの腕を掴み、細い身体を持ち上げる。

そうしてわかったのは、赤ずきんくんはボクよりもずっと軽いっていうことだ。


ボクは赤ずきんくんを地べたに寝転がせると、組み敷いた。


「あ、いやっ!!」

赤ずきんくんの身体が震えた。

きっとさっき、クマさんにされたことを思い出しているからだ。





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