chapter:人魚姫~深海の底で そのおかげで、人魚の世界を自由に行き来することができるようになり、今ではポセイドンと共に海を守る勢力のひとつだ。 今までポセイドンの力が行き渡らなかったこの深海も俺の力で、以前ほどサメは頻繁に姿を現さなくなり、平和になった。 俺自身、思いもよらないこの出来事に、大いに驚いたが、フランと彼女はこうなることを知っていたかのように、頷(うなず)き合っていた。 どうやら、彼女とフランはとても気が合うらしい。 「ね、ねね、ね。クライド、僕、難破船を見つけたの! 行ってみようよ」 「……わかった。支度するから少し待ってろ」 フランは言い出したら訊かないから……。 「やった、大好きクライド!!」 ガバッ。 「うわっ」 渋々頷くと、冒険ができるということに興奮しているフランが、俺に抱きついてきた。 「あらあら、ごちそうさま」 ◆人魚姫~深海の底で。END◆ |