chapter: そりゃ、クライドは今や英雄だし、格好いい。だからクライドの恋人になりたいっていう人魚だってたくさんいる。 僕なんて守られてばかりだし、お父様みたいに魔力はないし。顔だってお世辞でも格好いいとは言えない。 クライドと不釣り合いだっていうことも知っている。 もし、クライドが僕の他に好きな人がいたら……。 僕にしてくれたように、キスをしたら……。 ――嫌だ。クライドは僕と一緒にいるんだもん。誰にも渡さないもん!! あ、噂をすればクライド発見。 僕は早速急降下する。目指すは深海。 「クライドーーー!!」 「フラン」 僕がクライドにダイブして抱きつけば、力強い腕が抱きしめ返してくれる。 ああ、クライド。やっぱり僕はクライドが大好きだ。 もっとこうしていたいとそう思う。 だけどね、僕って欲張りで、クライドにもっともっと近づきたいって思うんだ。肉体なんてなくて、クライドの魂とひとつになれたらいいのに、って……そんなことできっこないのにね。 |