chapter:☆隠しきれない想い☆ 目からこぼれ落ちていこうとする涙を引っこめるため、頭上で輝く太陽がある真っ青な空を見上げる途中、ふと視線が気になって、目を止めた。 視界に映ったのは、6階まである校舎。 そこには……。 ――え? 思わず目を疑ったのは、3階の南側にある、2年3組の、ぼくの教室。 ――その教室の隣―― 2組の窓から覗くひとりの女子がいた。 あの女子には見覚えがある。 たしか、ぼくが階段でダンボール箱をぶち撒(ま)けた時に見た、三つ編みのあの子だ。 たしか、2組は先生の急な用事で自習だって言っていたっけ……。 窓から覗く三つ編みの女子は、ずっと同じ方向を見つめている。 まばたきすらしないでいったい何を見ているんだろう。 視線を追ってみた瞬間、止めておけばよかったと後悔した。 だって、だってそこには……。 霧我がいたんだ。 ぼくが霧我の隣にいるからわかるんだけど、女子が霧我を見つめている場面にはよく遭遇する。 だって霧我はカッコよくって、冷静沈着で、何があっても物怖(ものお)じしない。 めったに笑わないけれど、困っている人を見過ごしにしたりはしない優しい一面もあるから、女子にはとても人気がある。 それに輪をかけて生徒会という目立つ役柄をしているから余計に人気に拍車がかかるのは必至。 実は、同じ生徒会の副会長をしている紅葉も笑顔を絶やさないし、カッコいいからってけっこう人気がある。 |