02
高千穂は領主が自害した事により、その治は返された。
捕らえられていた村人達も無事に助け出され、領主が貯め込んでいた財も村に戻った。
それを指揮してから、飛龍は旅の支度を始めると赤羽と扶鋤に告げた。
「そりゃ、いい加減戻らねえと角鹿が怒り切れないだろうな」
「さっさと帰ってしまえ」
「もう少し丁寧な見送り方が出来んのか?」
飛龍が溜息交じりに扶鋤に言った時、怪我をした村人の手当てをしていた輝夜が駆け寄って来た。
「出掛けるの?」
「ああ。これ以上宮中を留守にしておく訳にもいかんからな」
「よく言うぜ」
赤羽の突っ込みは無視して飛龍は言う。
「輝夜、昨夜はよく働いてくれた。高千穂はこれで取り敢えず落ち着いたが、お前はこれからどうする」
「え?」
「俺に会いに来たのだろう?訊きたい事があるとも言っていたか」
「それならさっさと用を済ませて、こんな男と縁を切った方が君の為だ」
扶鋤が冷静に助言すると、赤羽も頷いた。
「そうそう、絶対ろくな事にならねえぞ」
「まあ、そうだろうな」
あっさりと同意した飛龍が輝夜を見る。
「それでも良いなら、一緒に来るか?」
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Reservoir Amulet