03
「……一緒にって、まほろばへ?私が?」
戸惑ったように訊き返した輝夜に、飛龍が声を上げて笑う。
「遠慮はいらんぞ。無駄に広いだけが取り得の住処だからな。息は詰まるかもしれんが、俺と共に来るつもりなら招待するぞ」
まほろばの宮を無駄に広いだけと片付ける飛龍に呆れながら、輝夜は真っ直ぐに見上げた。
「そうするわ。有り難う、飛龍」
二人のやり取りを見ていた赤羽と扶鋤は、思わず顔を見合わせる。
「明日は雨だぜ、きっと」
「雨で済めば良いが、嵐が来るかもしれないぞ」
「そうかもなあ。あの飛龍が女の子に親切にしてるなんて、この目で見たって信じられないぜ」
しみじみと呟く二人を余所に、輝夜が飛龍に向かって心配そうに尋ねる。
「でも、貴方は大丈夫なの?」
「何がだ?まだお前に心配される程落ちてはいないぞ」
「そう……なら、いいけれど。荒御魂を斬ったのなら穢れを受けてはいない?鎮めるのではなく力ずくで封じると、嘆きが付きまとうのよ。そして、その報いをいずれ受けなくてはならない。神々はもう、人にそんなに優しくはないのよ」
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Reservoir Amulet