05
軽やかに衣をなびかせて輝夜が部屋から出て行くと、赤羽は気遣う口調で呟いた。
「輝夜、顔色良くなかったな」
「ええ。此処は彼女には合わなかったのかもしれませんね」
「……だから輝夜が外に出て気分転換出来るように、わざとあいつが抜け出した、なんて事ねえよな?」
赤羽の言葉に、角鹿は深く息を吐き出す。
「さあ、どうでしょう。あのいい加減な男がそこまで考えているとも思えませんが……でも案外、そうかもしれませんね」
何も考えていないようで、本当は何処までも遠く深くを見ているような男だから。
いつだって自分から荷を増やしてしまう。
そしてそれを他の者には決して見せないから。
教えてやって欲しい。
絶対に敵わないものもあるのだと。
誰かを助ける為に己を犠牲にする事で、傷付く者もいるのだと。
一人で全ての痛みを背負おうとする事で、余計に心配する者もいるのだと。
それは、大切に思われているからだと。
彼はきっと、そんな些細な事に気付けない。
当たり前に自分を責め続けるから。
いつも叱ってやって欲しい。
やがてそこから変化が生まれるように。
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Reservoir Amulet