06
宮の建物の構造は複雑で一人では迷って外へ出る事も出来そうにないので、輝夜は以前此処へ来た時のように庭を抜けて行く事にした。
飛龍もきっと今朝早くに、この道を通って出て行ったのだろう。
こうして土や生きた草花に触れるのは随分久し振りのような気がした。
茂みの陰を通り抜けながら、少しずつ体が軽くなって行くような気がする。
光る朝露に髪や衣を湿らせて宮の外へ出る頃には、優れなかった体調が嘘のように元気を取り戻していた。
軽い足取りで馬上から一度見た事があるだけの都の様子を興味深く見ながら歩く。
人々の多さや賑やかさに驚きはしたが、しばらくして見付けた帝が店先で客の呼び込みをしているのを見た時には、他の驚きなど吹き飛んでしまった。
「飛龍!何をしているの、こんな所で」
思わず叫んで駆け寄ると、飛龍は輝夜を見て息をついた。
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Reservoir Amulet