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まだ日が落ち切らない夕暮れの間に、飛龍は輝夜を部屋に呼んだ。

輝夜が部屋を訪ねると、既に赤羽と角鹿がいて何かを話していた様子だった。

「飛龍、どうかしたの?」

「ああ、お前に訊きたい事がある」

「あら、なあに?私に分かる事なら良いけれど」

畳の上に正座をして首を傾げると、飛龍は軽い口調のまま言った。

「お前は高千穂に行く途中、筑紫を通ったろう」

「ええ」

「何か気付いた事は無かったか。俺の考えでは筑紫の領主は闇の者と手を組み、俺を追い落とそうとしているのだが」

その言葉に目を丸くしたのは輝夜だけでは無かった。

「何だって!?筑紫が!?」

「もしもそうなら、何故近くの高千穂の領主を落としたのです?警戒させるだけでは」

「まあ待て。どうだ、輝夜」

赤羽と角鹿を制して促すと、輝夜は記憶を探るように目を細めてから口を開いた。

「そうね……。まほろばから離れているのに、帝に関する噂がやけに多いとは思ったわ。それも悪い噂が。今考えれば、だけれど。高千穂の話に隠れてはいたけれど、筑紫の領主は人々から慕われているようだったわ。本当にどんな人かは分からないけれど」

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