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「飛龍に?どうして?」

輝夜が不思議そうに首を傾げると、下ろした長い髪がふわりと揺れた。

「彼が何と言うか、どんな反応をするのか興味があるのですよ」

「そうね、飛龍だったらきっと……『派手で動きにくそうな服だな。そんな格好、お前には似合わぬ』とか言いそうね」

飛龍の言い方を真似した輝夜に、思わず笑って言う。

「確かに。ですが、私はよくお似合いだと思いますよ」

「そうかしら。有り難う」

「行きましょうか、輝夜。屋敷まではご一緒出来ますから」

着いてしまえば嫌でも離れなくてはならないから、せめてそれまでは。

この旅に出てから一度も寂しいと口にしないけれど。

孤独な旅を続ける彼と彼女の道行きに、光を。





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Reservoir Amulet