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「……ならば良い」
何か言いたげな顔をした飛龍は、結局はそれだけ述べて太刀を下ろした。
張り詰めた空気が緩んだ瞬間、蛇集が立ち上がった。
手にした太刀は、真っ直ぐに飛龍に向けられていた。
凍り付くような時間の中、輝夜は握ったままだった懐剣を素早く投げた。
空を切り裂いて飛んだ懐剣は、蛇集の腕に突き立った。
動きを止めた蛇集は苦しげに顔を歪め、それでも太刀を動かした。
そして、そのまま自分の腹へと突き刺す。
鮮血が衣を染めた。
「やはり、まだ納得してはいなかったか」
それを見て呟いた飛龍の声に苦悩が混じっているように思えたのは、輝夜だけだろうか。
悲痛な叫びが声にならずに届いたのは、輝夜の胸にだけだろうか。
「これで満足か。理はお前ではなく、俺にある」
まだ息のある蛇集にそう告げると、太刀を握って迷わずに振った。
こうしてまた痛みを引き受けて。
いつか生が終わる時まで、全てを背負い続けるのか。
その果ての無い寂しさに、どうか慰めの光があるように。
自分を絶えず責めながら、振り返らずに進む貴方は。
いつも一人命を燃やし行くから。
苦難や痛みを恐れない貴方の道行きに、少しでも光をあげたい。
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Reservoir Amulet