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急いで近付くと、はっきりとその姿が見えて来る。

二人寄り添うように地面に倒れているのは、紛れも無く。

「飛龍、輝夜!」

「どうしたんですか、目を覚まして下さい!」

漣星が二人の側に膝をついて確かめ、しばらくして首を振った。

「……駄目だ。もう、心の臓も動いていない。息もしてない」

「そんな……!」

二人の様子は、ただ眠っているのと変わり無く見えて。

そんな事実は、簡単には信じられない。

「でも、一体何があって……。見たところ外傷も無いのに」

「分からない。分かるのはただ、二人がもう戻らないという事だけだ」

落ちた静けさが、胸に痛い。

他の仲間に、民に何と言えば良い。

豊葦原の希望が、こんなに呆気無く失われてしまうなんて。

本当は幸せになるべき二人が、こんなに早く命を落とすなんて。

喪失感が胸を締め付けて、立ち尽くしたまま動けない。

悲し過ぎて涙すら出ない痛みが胸に広がって。

どうしても動けない。





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