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会える確信なんて無いけれど、諦める事は出来ない。

懐かしい村、育った小さな家に暖かな両親。

思い出す度に、人間や豊葦原を憎む事はしたくないと思うから。

例えどんなに愚かでも、過ちを繰り返していたとしても。

だから、会いたい。

貴方に会って、その思いを聞きたい。

結論を出すのは、それからでも遅くない筈だから。

そして、その前にやるべき事があるなら。

輝夜は顔を前に向けて、高千穂への道を歩き出した。

何かに呼ばれるように、急かされるように。

振り向かず、道を辿った。





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Reservoir Amulet