09


夜が明ける前に、飛龍は宮を出発した。

「やはり堅苦しい宮中よりも外の方が清々するな」

「またそんな事を言ってると、帰ってから角鹿に嫌味を言われるぜ?あいつは根に持つからな。何年でも忘れてもらえねえぞ、多分」

並んで馬を走らせている赤羽の言葉に、飛龍が髪を風に任せたまま軽く笑う。

「俺は気にする程繊細ではないから、問題は無いな。角鹿の嫌味位でへこたれていたら、とても帝なんぞ務まらんぞ」

「図太いお前には、角鹿も苦労するよな」

赤羽は心底同情して呟いた。

前の帝の息子がこんなに破天荒だとは、一体誰が予想しただろう。

「だが、これは通らねばならない道だ」

言い切る帝の声は厳しい。

「闇との戦いも、国の平定も避けては通れぬ」

- 9 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet