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土曜日の午前中、ひかりは家の電話の側に座り込んでいた。

自分の確かな身元が分からない為、携帯電話は持っていないのだ。

受話器を耳に当ててバイト先の番号を押す。

「あ、すみません。店長さんですか?あの、申し訳無いのですが今日のバイトを休ませて頂きたいんですけど。……はい、有り難うございます」

電話の向こうの店長に頭を下げ、受話器を置いて小さく息をつく。

今日は、誠が訪れてから最初の学校の休みの日だ。

勇は先程用事があると言って出掛けて行った。

何処に行くのかは訊かなかったが、大切な用事なのだという事は分かった。

だから何も訊かないまま、頑張ってねと笑顔で言って送り出した。

そして、勇が動き出したのなら自分もぼんやりしている訳には行かない。

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