03


ひかりは気合いを入れて立ち上がり、制服に着替えて外に出た。

学校へと向かう道は、休日だからかほとんど人が歩いていない。

休みの日に彼が学校に来ているのかは分からないが、行ってみるに越した事は無いだろう。

校舎に入り、廊下を歩いて保健室の引き戸の前で立ち止まる。

少しの間見上げた後、ひかりは戸に手を掛けた。

「失礼します」

「おや、これはこれは……。ひかりさんじゃないですか。一体休日にどうしたんです?」

パソコンに向かっていた宴が振り向いて尋ねる。

ひかりは後ろ手に戸を閉めてから答えた。

「休みの日じゃないと、ゆっくり話せないと思って……」

宴はひかりの言葉を予期していたかのように立ち上がり、椅子を引いて示した。

「短い話ではないでしょう。どうぞ座って下さい」

ひかりが腰を下ろしてから再び自分も椅子に座り、改めて尋ねる。

「それで、何ですか?お話というのは」

一瞬俯いてから、ひかりは拳を膝の上で固めて顔を上げた。

「教えてほしいんです。記憶は、どうすれば取り戻せるのか」

もう逃げたくない。

進んだ先に、何があっても。





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