02
深夜に、唐突に電話が鳴った。
宴は溜息をついて腰を上げ、テーブルの上に置きっ放しになっていた携帯電話を手にした。
画面に出ているのは知らない番号だが、取り敢えず通話ボタンを押す。
耳に当てると、思い掛けない声が聞こえて来た。
「あ、こんばんは。黒矢さん、夜遅くにごめんなさい」
「……まさか、ひかりさんですか?どうして私の電話番号をご存知なんです」
「まあまあ。細かい事は気にしないで」
それは細かい事だろうか。
宴の抱いた疑問は余所に、電話の向こうのひかりは続ける。
「貴方に、相談したい事があるの」
その声の調子から、とても大切な話だという事が分かった。
宴は無意識の内に背筋を伸ばして応じた。
「どういった事でしょうか」
電話越しのひかりの声に耳を傾けながら、緊張が体を走るのを感じる。
そうだったのか。
やはり、彼女は。
- 134 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet