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勇がひかりの口から手を離したのは、ガソリンスタンドが見えなくなってから少し歩いた所だった。

離すなりひかりが怒鳴る。

「ちょっと、勇!誰が妹なの!?私、そんなに子供じゃない。きっと勇と並んで歩けば恋人同士に見える位、ちゃんと成長してるんだから!」

「いや、間違い無く兄妹に見られると思うぞ」

さらりと言った途端、背中に思い切り拳が放たれた。

「何だ、いきなり。暴力は止めろ」

「勇が私を子供扱いするからいけないの!」

何故たかがそれだけの事でこんなに怒られないとならないのだろう。

勇にはさっぱり分からなかったが、取り敢えず事態を収めるべく口を開く。

「分かったよ。ただし、今後もし隼に会う機会があったら、妹って事にしろよ」

「どうして?」

「どうしてもだ。分かったな?」

「うん」

よくは分かっていないようだったが、ひかりが頷くのを確認してやれやれと息をつく。

それから、ふと気付いて尋ねる。

「そういえばお前、どうして来たんだ?何か用があったんじゃないのか」

「ううん、用は無いけど」

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