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「あ、うん」

頷いた隼はひかりに向き直り、改まった様子で口を開く。

「遅くなったけど、僕は大嶋隼。勇のクラスメートで、此処で一緒にバイトしてるんだ。君は?」

訊かれたひかりは、微笑み返して答えた。

「私、夕村ひかり」

「あれ、名字が違うね?」

隼が並んだ二人の顔を見比べて首をひねる。

「だから、私は……」

妹じゃないと言い掛けたひかりの口を、勇は素早く手で塞いで代わりに答えた。

「血が繋がってない義理の妹で、今まで離れて暮らしてたんだ」

「……そうなんだ。色々大変なんだね」

しんみりした隼に向かってひらひらと手を振る。

「じゃあ、またな」

「うん、また明日。ひかりちゃんも、また会おうねー!」

勇はその声を背中で聞きながら、ひかりの口を塞いだまま引きずって歩いて行った。





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