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勇は鍋の蓋を開け、中から肉じゃがを少し取って味見をした。

まだ夜明け前で窓の外は暗い。

弁当箱に肉じゃがを詰めていると、軽い足音と共に明るい声が聞こえた。

「おはよう、勇。今日はやけに早いね」

ひかりは横から覗き込んで言った。

「お弁当、私が作るのに」

それが嫌だから、こんなに早い時間にわざわざ起きて弁当を作っているのだ。

どうしてひかりは、夜眠るのが早い訳でも無いのに朝早くから元気いっぱいなのだろう。

「勇、お料理上手だよね」

さり気無く鍋から肉じゃがを摘んで口に入れながらひかりが褒める。

「そうでもないぞ」

「そうかな。私は勇のお料理、好きだよ」

その言葉を裏付けるように、ひかりは菜箸でフライパンから野菜炒めを摘む。

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