03
「こら、行儀が悪いぞ」
「いいじゃない、少し位」
ひかりは心底幸せそうに摘み食いを続ける。
勇は諦めて息をつくと、さっさと自分の弁当を用意して布巾に包んだ。
いつの間にか日が昇り、明るい日光がカーテンを通して入って来る。
ひかりが菜箸を置き、窓辺へと歩いてカーテンを開けた。
部屋の中が眩しい朝日に包まれる。
「今日もいいお天気だね」
そう言ってから勇の方を向く。
「あのね、勇。私……」
言い掛けた事を最後まで聞かず、勇は鞄を手にした。
「悪い、話なら後にしてくれ」
「え?もう行くの?」
「今日は朝補習なんだ。じゃあな」
「分かった。行ってらっしゃい」
手を振るひかりに見送られ、勇はよく晴れた外に出た。
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Reservoir Amulet