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せめて、ほんの少しでも。

慰めを、安らぎを。

以前ひかりがしてくれたのと同じように。

「……なってやるよ、俺が」

不意に言われ、ひかりが顔を上げて勇を見る。

「覚えてないから不安で、自分の存在も信じられないなら。俺がなってやるよ、証に。お前は此処にいていいし、いるべき人間なんだ。お前が覚えていないなら、俺が覚えていてやるよ。夕村ひかりの存在を」

ひかりはしばらく何も言わず、真っ直ぐに前を見て歩く勇の横顔を見詰めた。

不意に、胸に熱く迫って来るものがあった。

此処にいて、良いのだと。

貴方は許してくれるのか。

そう思ったら、瞳から涙が溢れた。

「お、おい?どうした」

慌てたように勇が言う。

「俺、何か変な事言ったか?」

「……違うよ」

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