06
少しの沈黙があった。
やがてひかりが、微かに音を立ててカップを置いた。
「勇はどうして命を狙われてるのかな?殺意を抱かせる程に恨まれ、実際にあんなに人員を割いて来るなんてよっぽどだよ」
「そうだな。かと言って俺は、そんな人に恨まれるような事をした覚えは無い。なら、別に理由があるのか……」
何にしても、全く迷惑で面倒な話ではあるが。
この先何かが待っているのなら、尚更だ。
「大変な事になりそうだね」
「ああ。あの黒いのも出て来たしな」
「黒矢さんの事?あの人はよく分からないけど、勇を殺すのは諦めたのかなあ」
「さあな。ただ……」
勇はコーヒーを飲み干した。
口の中に苦さが残る。
「あいつは何かを隠してる。そんな気がするんだ」
- 76 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet