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少しの沈黙があった。

やがてひかりが、微かに音を立ててカップを置いた。

「勇はどうして命を狙われてるのかな?殺意を抱かせる程に恨まれ、実際にあんなに人員を割いて来るなんてよっぽどだよ」

「そうだな。かと言って俺は、そんな人に恨まれるような事をした覚えは無い。なら、別に理由があるのか……」

何にしても、全く迷惑で面倒な話ではあるが。

この先何かが待っているのなら、尚更だ。

「大変な事になりそうだね」

「ああ。あの黒いのも出て来たしな」

「黒矢さんの事?あの人はよく分からないけど、勇を殺すのは諦めたのかなあ」

「さあな。ただ……」

勇はコーヒーを飲み干した。

口の中に苦さが残る。

「あいつは何かを隠してる。そんな気がするんだ」

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Reservoir Amulet