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反射的に手を引いたセレネから目を逸らしたエンデュミオは、僅かに抑えた口調で続けた。

「すまない。私なら、大丈夫だ」

「そんな風には見えません。お医者様に診て頂かないと……」

かなり我慢しているようだが、この苦しみ方は尋常ではない。

エンデュミオの顔には脂汗が浮かび、血の気も引いている。

ただその真紅の瞳だけが、より鮮やかに光っているように見えた。

何とかして医者の元へ連れて行かなければ。

「来て下さい、エンデュミオさん。早くお医者様の所へ行きましょう」

しかしエンデュミオはその場を動かず、側の木に体を預けた。

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