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後を追おうとしたセレネは、少し進んで立ち止まった。

これ以上行っては、また道に迷ってしまう。

それに、あの突然の拒絶。

今無理に追い掛ける事は、彼をもっと苦しめてしまうかもしれない。

そんな気がしたから、その場に佇んだまま胸を押さえる。

あの人は大丈夫なのだろうか。

自分は、何か悪い事をしてしまったのだろうか。

忘れろと言われたのに、どうしても考えてしまう。

抗えない強さで、想いは彼へと向かって行く。

全てが、全てが奪われ捕らわれる。

初めて覚えた恋情は、初めて故に諦めを知らず。

己の意志では制御も抑圧も不可能で。

だからこそ、無意識の内に覚悟を抱く。

何があっても悔やまない覚悟を。





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