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その様を見た瞬間、気を失ったのかもしれない。

目の前が暗くなり、何も見えなくなった。

しかし、今目にした光景は生々しく焼き付いている。

立ち昇る血の匂いと色。

そして、それを飲む吸血鬼。

信じたくはないけれど、間違いは無い。

あれは、エンデュミオだった。

本能を晒した彼の姿に、恐怖を感じなかったと言えば嘘になる。

でも、それ以上に。

「……セレネ」

不意に呼び掛けられて顔を上げると、いつの間にか近くに人が立っていた。

見慣れない服装をしているけれど、誰なのかはすぐに分かった。

「エンデュミオさん……?」

姿は間違い無くエンデュミオだった。

しかし、何となく違和感がある。

自分が会って話した彼とは、何処となく違う気がする。

「あの、貴方はどなたですか?」

迷った末にそう尋ねると、相手は微笑を浮かべた。

「さすが、鋭いな。私は貴女の知るエンデュミオと同じ存在であり、違う存在でもある」

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Reservoir Amulet