夢通ひ




夢通ひ 恋歌を交わして
儚き標を 護符に変えて……

天つ風に乗せるように
夢見鳥 空に放つ
今は言えぬ想いが
時を越えて届くなら

焔舞い 紅に染まる荒野
清い水を手にし 傷跡まで癒せたなら
願いだけ 風に流れて

夢通ひ 逆巻く瀑布に
愛しき姿が雫と失せても
玉響の逢瀬を信じて
恋ひ初めて 流れに逆らう祈り
天へと……

天翔り いつか貴方へ
降り注ぐ雨に成ろう
深く秘めた情なら
定めをも越えるでしょう

昇炎は 紅蓮の衣を纏う
静かな水を手に 涙の跡隠せるなら
願う頬 風が撫でてく

夢がまし 荒ぶる嵐に
愛しい貴方が砂塵と散っても
玉の緒の儚さを知りて
恋知らず 過ごした時より強く
生きれる……

糸のをだまき この手で廻し手繰る
幾千と積もる想い出を集めて
紡ぎましょう 恋の歌を
かけがえ無きあの刹那の記憶
荒野を潤して

夢通ひ 逆巻く激流
愛しき姿を飲み込み流れる
玉響の逢瀬を重ねて
恋ひ初めて 定めに逆らい祈る

夢廻り 貴方に出会えた
ささめごと 誓いを交わして
護ろう
この手で……





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