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向かい合えば、まるで鏡を見ているようだと思う。

今は服装まで似せているから、尚更だ。

「……私の振りをして、随分好き勝手をしてくれているようですね。至聖」

「貴方と似ている事を便利だと思ったのは初めてだったよ。今までは鬱陶しいだけだったけど」

微笑みに微笑みを返しながら続ける。

「それに俺がアースに入った時点で、こうなる事は予想出来ていただろう?」

「泳がせていたつもりでしたが、いささか目に余ったものでしてね」

一見変わらない笑顔の中に確かに敵意をにじませて、至高は言った。

「それは良かった。俺は、早く貴方に出て来てもらいたかったから」

さらりと返しながら、上着のポケットに手を突っ込む。

そこには、携帯電話が入っている。

もう連絡は済ませた。

後は待つだけだ。

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