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沈黙を肯定と受け取り、更に話を進める。

「だから貴方は内心焦った筈だ。まさか華原さんが、酷い別れ方をした恋人の真意を探る為に軍に入るとは思わなかった。そんな危険を犯してまで追って来るとは思わなかった。彼女を危険から遠ざける為に別れたのに、これでは意味が無い。貴方がモナダ側に付きながらも何処か動きが鈍かったのは、そのせいだ」

相手の反応が無くとも言い切り、息を吸い込む。

「だから会ってほしいと思った。もう一度、彼女に」

至聖は自分の後ろへと目を向けた。

肩までの髪、人形のように大きな瞳。

軍服を纏う、華奢でありながら凛々しい姿。

華原真宵が、ゆっくりと近付いて来る。

その表情は落ち着いていて、何を考えているかは読み取れない。

「…………」

一瞬僅かに瞳を揺らした至高も、すぐにまた元の微笑を浮かべる。

「何のつもりですか、至聖」

「貴方は素直になるべきだ。彼女の想いも聞かないまま、一方的に全てを決めてしまったのは責められるかもしれない。許しを請わなければならないかもしれない。だから貴方は、本当の事を話すべきだ。貴方は神じゃない。一人で出来る事には限界がある」

「……余計な事を」

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