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低く呟いた至高を無視して、少し離れた場所で足を止めた真宵の方を向く。
「華原さん、聞いてた?」
「はい」
相変わらず落ち着いた様子のまま、真宵は至高に目を向けた。
小さく頭を下げて口を開く。
「……お久し振りです、至高さん」
「私はあまり会いたくありませんでしたよ、真宵さん」
溜息をついた至高に、微かに苦悩が見えた。
初めて、目に見えて表れた。
「それなのに軍なんかに入るとは。貴女には、そんな場所は似合いませんよ」
「私自身が選んで決めた事ですから」
毅然と答える真宵に、至聖は何となく分かった。
きっと至高は、彼女のこんな強さに惹かれたのだろう。
息を吸い込み、真宵に呼び掛ける。
「華原さん。もう一度、選択の時だよ」
こちらを見た大きな瞳を見返して繰り返す。
「今もう一度、選択の時が来たんだ。このまま軍に留まるか、それとも至高と共に行くのか。君は君の意志で決めれば良い」
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Reservoir Amulet