19


低く呟いた至高を無視して、少し離れた場所で足を止めた真宵の方を向く。

「華原さん、聞いてた?」

「はい」

相変わらず落ち着いた様子のまま、真宵は至高に目を向けた。

小さく頭を下げて口を開く。

「……お久し振りです、至高さん」

「私はあまり会いたくありませんでしたよ、真宵さん」

溜息をついた至高に、微かに苦悩が見えた。

初めて、目に見えて表れた。

「それなのに軍なんかに入るとは。貴女には、そんな場所は似合いませんよ」

「私自身が選んで決めた事ですから」

毅然と答える真宵に、至聖は何となく分かった。

きっと至高は、彼女のこんな強さに惹かれたのだろう。

息を吸い込み、真宵に呼び掛ける。

「華原さん。もう一度、選択の時だよ」

こちらを見た大きな瞳を見返して繰り返す。

「今もう一度、選択の時が来たんだ。このまま軍に留まるか、それとも至高と共に行くのか。君は君の意志で決めれば良い」

- 127 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet