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「ごめん。君を困らせたい訳じゃないんだ。格好悪いし未練がましいし、ずっと隠しておくつもりだったんだけど」

微笑んだ至聖と目が合って、思わず息を飲む。

「知っていてほしかったんだ。一人で頑張り過ぎなくていい。俺は勝手に君の役に立てないか考えてる。だから遠慮しないでいいよ。俺に気を遣わなくていい。全部、俺が好きでやってる事だから」

こんなに言ってもらえるなんて。

こんなにも、想ってもらえるなんて。

申し訳無く思うのと同時に、胸に湧き上がる感情は。

歓びかもしれない。

「…………」

自覚した感情に自分で戸惑っていると、隣で至聖が立ち上がった。

「すっかり遅くなっちゃったね。そろそろ帰ろうか、華原さん」

自然に告げられた言葉と差し伸べられた手に、胸が熱くなる。

とても近くにいる筈の人が、不意にとても大きく思えた。

傷付く事を恐れず厭わず、好きだと言い切れるこの人は。

なんて大きくて、強いのだろう。

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