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「……っ」
思わず絶句する至聖を余所に、燎と悠也が食いついた。
「へえー!華原もその話聞かされたのか」
「俺達も、もう何回も聞いてる」
「そうだったんですか」
「…………」
冷や汗をかく至聖を放って、更に話は続く。
「物凄い美人だって言ってただろ?」
「至聖の話は詩みたいで、いまいちイメージ湧かないけど。どんな女性なんだろうね」
「思い出は美化されるものですし、かなり誇張が入っているかと思いますが」
素知らぬ顔で冷静に分析してから、真宵は付け足した。
「あれ程に想われる相手は、幸せでしょうね」
「まあな」
「ほんと、至聖って意外と一途」
「…………」
信じられない思いで息を飲む至聖に、真宵が微笑を向けた。
暖かな瞳で、柔らかな笑顔を向けられて。
思考まで止まる。
無駄ではなかったのだろうか。
長い間忘れられなかった、あの時さえ。
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Reservoir Amulet