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長く暗い廊下を歩きながら、疑問がぽろりとこぼれる。

「華原さんは、兄貴の何処を好きになったんだろう」

「は?」

唐突な言葉に、真宵が隣を歩く至聖を見上げた。

「何ですか、いきなり」

「常々思ってたんだよ。兄貴って、それはそれは極悪非道な男でね。男女問わず何人もの人達が犠牲になってるんだけど……。何でよりによって華原さんみたいな人が捕まっちゃったんだろうって」

「何で……」

呟いた真宵は、一瞬だけ何かを思い起こすような瞳をしてから首を振る。

「下らない事を聞かないで下さい。それに貴方だって他人のことは言えないでしょう」

「え、そうかな」

「そうですよ」

ふっと息をつき、微笑を浮かべて続ける。

「よりによって、こんな面倒な人を好きにならなくても良かったのに」

「面倒な人って……。まさか、華原さんのこと?」

「貴方が好きなのが私なら、そうでしょうね」

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